会社の健康診断⑱
「会社の健康診断⑰」では、貸借対照表から会社の資金繰りがどうなのかの指標として、「債務償還年数」について説明しましたね。
この「債務償還年数」は金融機関等からの借入金など(有利子負債)をキャッシュフローの額(当期純利益+減価償却費)で返済すると何年かかるかを示す指標です。
「債務償還年数」は「債務償還年数(年数)= 有利子債務※ ÷ (当期純利益+減価償却費)」の計算式で算出します。有利子債務として、「短期借入金」「1年以内返済長期借入金」「長期借入金」「社債」などがあります。 業種によって目安は異なりますが、「債務償還年数」が10年以内だと健全だと言われています。また、15年を超えると注意が必要と言われています。
この「債務償還年数」は、会社の借入金等の返済能力を示す指標となります。そのため、「債務償還年数」は年数が短ければ短いほど、金融機関の信用が高くなります。
それでは、「会社の健康診断⑱」でも、貸借対照表から会社の資金繰りがどうなのかの指標について説明します。
●会社の健康診断⑱~資金繰りについて診てみよう⑨~
今回も、「長期的な資金繰り」の指標を説明します。
・固定長期適合率
「固定長期適合率」は「固定比率」の基準を少し緩めた指標です。
多額の設備投資をする場合、自己資本では賄いきれない部分については、金融機関等から長期の借入れを行います。そのような場合、固定比率を100%以下にするのは難しいといえます。
そこで、長期間にわたって返済する長期借入金などの「固定負債」を分母に含めて計算するため、「固定長期適合率」は「会社の健康診断⑭」で説明した「固定比率」の基準を少し緩めた指標となります。
「固定長期適合率」は下記の計算式で算出します。
固定長期適合率(%)= 固定資産※ ÷ ( 固定負債 + 自己資本 ) × 100
※固定資産は、機械や車両、土地などの有形固定資産だけでなく、商標権などの無形固定資産も含まれます。
「固定比率」同様に、「固定長期適合率」が、100%以下が望ましいと言われています。
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