会社の健康診断㉒
「会社の健康診断㉑」では、経営分析する際に必要となる、変動損益計算書の「変動費」について説明しましたね。
製品などを売り上げたら、その分売上原価は増えるんだから、「変動費」=「売上原価」だろうと思うかもしれませんが、実際は違います。
売上原価の中には、材料費、副材料費など、売上に比例して増える費用である「変動費」と、従業員の賃金(給与)といった人件費や水道光熱費や減価償却費などといった経費など売上とは関係なく発生する費用である「固定費」が含まれています。
そのため、「変動費」=「売上原価」ではないのです。
また、販売費及び一般管理費の中には、売上に比例して増える費用が含まれていることがあります。業種また会社ごとに費用構造(変動費と固定費)は異なりますので、「変動損益計算書」を作成する際には、一度会社の費用を確認する必要があります。
そこで、「会社の健康診断㉒」では、経営分析する際に必要となる、変動損益計算書作成のために費用を「変動費」と「固定費」をどのように分解(区分)するのか説明します。
●会社の健康診断㉒~経営分析する際に必要となる変動損益計算書とは?④~
●費用を「変動費」と「固定費」に分解するにはどうすればいいの?
費用を「変動費」と「固定費」に分解(以下「固変分解」といいます)する方法として、下記の2つがあります。
①勘定科目法(費目別精査法)
②最小自乗法
この2つの方法のうち、実務的に多く実践され、固変分解が行いやすい「①勘定科目法(費目別精査法)」のみ説明します。
「勘定科目法(費目別精査法)」とは、言葉どおり、勘定科目ごとに費用を固変分解する方法です。
そのため、1つの勘定科目の中に、変動費と固定費が混在している場合があるため若干、正確性に劣るといったデメリットがあります。
しかし、勘定科目ごとに固変分解するため簡単に、変動損益計算書を作成することができます。
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