会社の健康診断㉗
「会社の健康診断㉖」では、今まで説明した「変動損益計算書」から診ることのできる会社の指標「1人当たり限界利益(加工高)」について説明しましたね。
「1人当たり限界利益(加工高)」は、生産性の分析をする際に活用されます。つまり、ヒトを活かしてどのくらい効率的に利益などをあげたのかを診る指標となります。
「1人当たり限界利益(加工高)」は「1人当たり限界利益(加工高) = 限界利益 ÷ 平均従業員数」の計算式で算出します。
この「1人当たり限界利益(加工高)」を診ることにより、従業員1人当たりどのくらいの限界利益を稼いでいるかが見えてきます。
「限界利益」以外にも、「売上高」や「経常利益」を使って「1人当たりの売上高や経常利益」も見ることができますので、是非、確認してみてください。
今回の「会社の健康診断㉗」でも、「変動損益計算書」を診ることでわかる指標について説明します。
●会社の健康診断㉗~損益分岐点を診てみよう⑤~
・労働分配率
「労働分配率」は、限界利益に占める人件費の割合を確認する指標となります。
「労働分配率」は下記の計算式で算出します。
労働分配率(%) = 人件費※ ÷ 限界利益 ×100
※人件費は、給与や賃金、役員報酬の他に、法定福利費や厚生費なども含めます。
この「労働分配率」は人件費の伸び率よりも生産性の伸び率の方が上回ったのかどうかを確認することができます。そのため、この比率が上昇した場合には、生産性の伸び率よりも、人件費の伸び率の方が上回ったため、生産性が悪化したことがわかります。
労働分配率は、人件費を抑えることにより労働分配率は下がる可能性はありますが、「人件費の伸び率以上に生産性を向上させて、労働分配率を下げる」という考え方をもって改善に取り組むことが大切となります。
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