会社の健康診断㉘
「会社の健康診断㉗」では、今まで説明した「変動損益計算書」から診ることのできる会社の指標「労働分配比率」について説明しましたね。
「労働分配率」は、限界利益に占める人件費の割合を確認する指標となります。
「労働分配率」は「労働分配率(%) = 人件費 ÷ 限界利益 ×100 」の計算式で算出します。この計算式での人件費は、給与や賃金、役員報酬の他に、法定福利費や厚生費なども含めます。
この「労働分配率」は人件費の伸び率よりも生産性の伸び率の方が上回ったのかどうかを確認することができます。そのため、この比率が上昇した場合には、生産性の伸び率よりも、人件費の伸び率の方が上回ったため、生産性が悪化したことがわかります。
労働分配率は、人件費を抑えることにより労働分配率は下がる可能性はありますが、「人件費の伸び率以上に生産性を向上させて、労働分配率を下げる」という考え方をもって改善に取り組んでいきましょう。
今回の「会社の健康診断㉘」では、「貸借対照表」から運転資金に関する指標について説明します。
●会社の健康診断㉘~運転資金を診てみよう①~
一般的にな会社では、掛取引により商品等を売買し、そして一定の在庫を保有しています。そのため、商品等の販売までの期間や販売してから代金を受け取るまでの期間と仕入れ代金の支払い期間でタイムラグが生じることになります。このタイムラグで手当てしなければならない「運転資金」が発生します。
今回から、この「運転資金」に関する指標などを診ていきます。
・売上債権回転期間
「売上債権回転期間」とは、商品などを販売してから代金を回収するまでの期間をいいます。
「売上債権回転期間」は下記の計算式で算出します。
売上債権回転期間 = 売上債権※ ÷ 年間純売上高 × 365日
※売上債権は売掛金や受取手形などがあります。
「売上債権回転期間」がわかることにより、売上債権の回収が売上高の何日分に相当するのかがわかります。
売上債権回転期間が短いとほど良いといえます。もし、売上債権回転期間が長い場合にはその原因を見つけて解消していきましょう。
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