付加価値の”見極め”「チェックリスト」
事業承継の場面では、自社株式や将来の相続対策、という業務での視点に特化されがちな、私たちの仕事ですが、
でも、事業承継の”核心”は、多くの場合、そこにあるわけではありません。
むしろ、財産の承継は、事業承継では、核心の部分がいったん整理されたあとに、実務面で動いていく課題だといえます。
だから、順序を間違えてはダメ。
事業承継のエキスパートで税理士である 森富幸先生は、ご著書のなかで、
事業承継の目的は、「事業承継をする価値のある会社を存続させること」であり、
その会社存続の条件は、付加価値の継続的な創出にかかっている、と言われています。
そして、事業承継をする価値のある会社か否かの見極めとは、
自分の会社が継続して付加価値を創出できているか否かを見極めること、とあります。
厳しい考え方ですが、本質に沿っていると思います。
後継者側としては、先代の経営者から交代した後も、適正な付加価値を継続的な創出が可能であるか、という視点で自社の経営を見つめる、という作業が必要になってくるわけですね。
つまり、言い換えると、ビジネスモデルは、絶えず変化&進化しいくものだから
自社の事業を変容していくことが後継者の手腕としては必要なわけです。
森先生は、その見極めのための”チェックリスト”として、
ⅰ.他社が容易に参入できないノウハウ、技術、ビジネスモデルがある
ⅱ.付加価値率が同業他社平均より高い
ⅲ.適正な事業価値の創出を持続できる、継続できる
ⅳ.事業価値を磨き上げる意識が高く、さらには、そのことが全従業員に浸透している
ⅴ.現状で企業を継続するための十分なキャッシュが確保されている
ⅵ.財務内容が健全である
ⅶ.常に企業体質の強化が図られている
ⅷ.常に経営の効率化が図られている
というポイントを挙げていらっしゃいます。
(『事業承継の基礎と実務』(日本評論社)より)
事業創出は、企業や経営者にとっての余力が必要。そして、ある程度の時間も必要です。
だから、財務内容が不安定であると、その機会を生むことが難しくなります。
財務基盤をしっかりさせることも、やはり事業承継を成功させる要素のひとつです。
つづく・・・
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公認会計士・税理士 権田 俊枝
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