中古で購入したプライベート資産を事業用に転用した場合には?
2月に入り、個人事業主の方は日常の仕事以外にも,何かと慌ただしくなる確定申告の時期となりますね。
今年も雪が降りましたが、一昨年の2月の2週続けての大雪のような雪の降り方は勘弁です(>_<)。
今回は、その確定申告で意外とポイントの多い”中古で購入したプライベート資産を事業用に転用した場合には?”というテーマです。
通常資産を取得した年は、取得価額で貸借対照表に計上したり、減価償却費の計算をするんじゃないの?と思いますが、この場合は違います。
中古で購入したプライベート資産を事業用に転用した場合には、プライベートで使用していた期間における「減価の額」の計算を行い、この「減価の額」をその資産の取得価額から控除した金額(これを「未償却残高相当額」といいます)で、減価償却費の計算をします。
今回は、「未償却残高相当額」の算出方法とそのポイントを説明します。
計算式
事業の用に供されなかった期間 その資産の業務の用に
その資産の取得価額 - プライベートで使用していた期間)(※1) = 供した日における
につき、その資産の耐用年数の 未償却残高相当額
1.5倍に相当する年数(※2)で、
旧定額法に準じて計算した減価の額
(※1)プライベートで使っていた期間に係る年数に1年未満の端数があるときは6月以上の端数は1年とし、6月に満たない場合は切り捨てます。
(※2)1.5倍に相当する年数に1年未満の端数があるときは1年未満の端数は切り捨てます
ここでのポイントは、プライベートで使用した期間の減価の額の計算は、旧定額法で行うことです。
平成19年4月1日以後に取得した資産であっても、プライベートで使用したことによるその資産の減価の額の算出は旧定額法で行うことがポイントです。
では設例を見ていきましょう。
条件:
平成25年4月1日にプライベートで使用するために購入した中古の自動車(取得価額200万円、法定耐用年数6年)を平成27年4月1日に事業用に転用しました(事業割合100%)。
①プライベート使用期間の耐用年数
6年×1.5=9年
②プライベート使用期間の償却費(旧定額法で計算をします)
平成25年4月1日から平成27年3月31日まで→2年(プライベート使用期間)
{2,000,000円-(2,000,000円×10%)}×0.111×2年=399,600円
③未償却残高相当額
2,000,000円-399,600円=1,600,400円
となります。
また、昭和27年12月31日以前に取得した資産を業務の用に供した場合は、上記の未償却残高相当額の計算方法とは異なりますので、国税庁HPをご参照ください。