平成30年度税制改正⑧~相続税・贈与税編その3~

前回の「平成30年度税制改正⑦~相続税・贈与税編その2~」では、特例事業承継税制(非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予の特例制度)の創設による要件緩和等のとして「①猶予対象株式の上限が撤廃」されたことと、「納税の猶予割合が拡大」について説明しましたね。

従来の事業承継税制では、「猶予対象株式数は発行済議決権株式数の3分の2」まで、納税猶予割合は「贈与税では100%」「相続税では80%」まででした。そのため、相続税の場合、約53%しか猶予割合がありませんでしたね。

しかし、特例事業承継税制の創設により、猶予対象株式数の上限が撤廃され、議決権株式数のすべてが対象となり、また、納税猶予割合も「贈与税・相続税ともに100%」となりました。そのため、納税猶予割合が贈与税・相続税ともに、100%となりましね。

 

今回の「平成30年度税制改正⑧~相続税・贈与税編その3~」でも、特例事業承継税制の創設による要件緩和等について説明します。

 

 

●平成30年度税制改正⑧~相続税・贈与税編その3~

 

特例事業承継税制の創設により「雇用確保の要件が弾力化」されました。

 

従来の事業承継税制では、事業承継後5年で平均8割以上の雇用維持(雇用確保の要件)が必要でした。この雇用確保の要件の平均8割の雇用を維持を満たせなかった場合、納税の猶予が打ち切られ、猶予されていた贈与税や相続税を納税する必要がありました。

 

しかし、特例事業承継税制により、事業承継後5年で平均8割以上の雇用維持が満たせなかった場合でも、一定の要件のもと納税の猶予が継続されることになりました。

その一定の要件とは、「その雇用確保の要件を満たせなかった理由を記載した書類を都道府県に提出すること」です。

なお、「その雇用確保の要件を満たせなかった理由を記載した書類」は、認定経営革新等支援機関の意見が記載されていることが必要となります。

 

 

※特例事業承継税制の適用は、平成30年1月1日~平成39年12月31までの間に贈与や相続等により取得する財産に係る贈与税や相続税となっています。

 

「平成30年度税制改正⑨」も引き続き、特例事業承継税制創設による要件緩和等について説明します。

 

 

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