平成30年度税制改正⑫~相続税・贈与税編その7~

前回の「平成30年度税制改正⑪~相続税・贈与税編その6~」では、特例事業承継税制(非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予の特例制度)の創設による要件緩和等のとして「相続時精算課税の対象者の拡大」について説明しましたね。

相続時精算課税の適用対象者は、贈与者は贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母、受贈者は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者のうち、贈与者の直系卑属(子や孫)の推定相続人又は孫でした。しかし、特例事業承継税制により、特例後継者の贈与者の推定相続人以外の者(その年の1月1日において20歳以上の者に限ります)であり、かつ、その贈与者が当日において60歳以上の者である場合には、相続時精算課税制度の適用を受けることができるようになりましたね。

 

今回の「平成30年度税制改正⑫~相続税・贈与税編その7~」でも、特例事業承継税制の創設による要件緩和等について説明します。

 

 

●平成30年度税制改正⑫~相続税・贈与税編その7~

 

特例事業承継税制の創設により「特例承継期間経過後に会社を解散等した場合の納付税額の見直し」がなされました。

 

従来の事業承継税制では、納税猶予の適用を受けているM&Aにより譲渡した場合や会社を解散した場合には、納税猶予が終了し、相続税や贈与税を納付することになっています。

しかし、特例事業承継税制により、「経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合」特例承継期間経過後に、『①特例認定承継会社の非上場株式を譲渡するとき』『②特例認定承継会社が合併により消滅するとき』『③特例認定承継会社が解散等』などの行為が行われたときには、一部の納税猶予額を免除する(残りを納税する)規定ができました。

 

「経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合」については、平成30年度税制改正⑬~相続税・贈与税8~にて説明します。

 

※特例事業承継税制の適用は、平成30年1月1日~平成39年12月31までの間に贈与や相続等により取得する財産に係る贈与税や相続税となっています。

 

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