目標の要素に「自己成長率」を入れると・・・
ラグビー日本男子代表チームのメンタルコーチであり、五郎丸選手のポーズ(ルーティーン)を確立した荒木香織さんの
『「ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』のご著書のなかで、
目標設定の仕方として、”目標を三種類に分ける”手法が紹介されています。
それは、
・「結果に関する目標」
・「パフォーマンスに関する目標」
・「過程に関する目標」
です。
まず、 「結果に関する目標」は、誰でも明確にわかる目標設定の方法ですが、
たとえば スポーツの世界では、「日本一になる」「全国制覇」「××校に勝つ」という結果(成果)目標です。
ビジネスの世界でも、まったく同じ原理で、たとえば、売上高××億円、シェア〇〇%アップ、利益率△△%・・・などです。
こちらは、大抵がトップが定めた指標であり、そして、メンバーがこの目標の達成を目指するように行動せよ、というものです。
しかし、売上高もシェアも利益も、経済環境や政策など、さまざまな要因に左右されるので、コントロールができないものです(必ずしもコントロールが利かない、という基準から、私は、結果目標を「ゴール」と呼んでいます)。
また、日々、どのように具体的に行動していいか、メンバーは検討がつきません。
そこで、 「パフォーマンスに関する目標」です。
これは、メンバー自身の(個人的な)パフォーマンスの向上を目指すための目標設定です。
スポーツでいえば、××の自己ベスト記録を目指す、〇〇の成功率を今より10%アップする、などです。
また、セールスの仕事の場合だと、毎日や毎月などの単位で電話回数、訪問回数、DM送付数、アポ取り件数・・・などでしょうか?
ポイントは、他者との比較でなく、自分自身の以前の能力(パフォーマンス)と比較することで、目標の達成度合いを評価すること。
「結果に関する目標」よりも、コントロールが利くし、比較的、数値化が明確な指標です。
しかし、自分自身でたてる目標でもあるため結局は自分が達成しやすい目標値にしてしまう欠点もあるように思います。
それを回避するために、たとえば上司にチェックを受ける、となると、その”監視の目”が本人のモチベーションにも影響してきてしまいます。
そして、3つ目が「過程に関する目標」。
荒木氏の著書によれば、アスリートがどのように具体的なスキルを獲得するかに関係するものだそうです。
たとえば、キックの成功率を5%上げたいとすると、そのために自分なりに「プレ・パフォーマンス・ルーティン」を完成させてみる、などです。
つまり、 「パフォーマンスに関する目標」達成のために立てる、プロセス重視の目標達成。
すなわち、 私は、「自己成長感」を実感するための”成長率”が基準になっているのかな、と考えました。
荒木氏は、実際にオリンピックでメダルを獲得する選手は、「過程に関する目標」をもって練習に臨んでいた人が多かった、といっています。
パターン(型)がある程度決まりきっていて、人から与えられた目標、というよりも、
ひとり一人が、自分の成長のために何をしたらよいのか、を自分でしっかりと考え、実行し、修正や工夫を重ねていく・・・そんな、自分で考えるチカラ が備わる目標なのでしょうね。
自分自身の、そして、事務所のための「過程に関する目標」。
その設定について、これからいろいろとチャンレンジしていきます。
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公認会計士・税理士 権田 俊枝
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