”計篇”で、孫子は「将とは、智・信・仁・勇・厳なり」と、リーダーが備えるべき5つの徳(能力)をあげています。
・智(ち)とは、先々まで見通したり、臨機応変できる知恵 すなわち、知力や洞察力や先見力などの能力。
・信(しん)とは、リーダーに対するメンバーからの信頼。すなわち、信頼を得る力。
・仁(じん)とは、メンバーに対する愛の気持ち、思いやり。
・勇(ゆう)とは、強いものに立ち向かっていく勇ましさ。そのほか、決断力や実行力などの能力。
・厳(げん)とは、メンバーを統率するのに必要な厳しさ。
( 一部、 「孫子の兵法」(濱本克哉著)を参考)
この5つの徳(能力)を適度に併せ持った者こそ、組織を勝利に導くことができる、というものです。
確かに、これらの能力がバランスよく備わっているリーダーは、器用に!?経営もやっていけそうです。
「先見力」バツグン! で、「信頼性」もばっちり!
しかも、「思いやり」も「実行力」もあって、「勇敢さ」と「厳しさ」を併せ持っているリーダー。
・・・でも、そんな人、本当にいるの~~~~!
と正直、思ってしまいますね(^_^;)。
だって、私たちは、いいところもあれば悪いところもある、生身の人間だもの~~~!!
両者が50%ずつあったとしたら、悪いところをちょっと抑えるようにして、強いところをさらに伸ばしていけば、その人の人間的な魅力になりますよね(^^)/。
しかも、もともとリーダーは個性的な方が多いですから、欠点があっても、それは経営者自身としての大きな魅力になります。
それでも、さらに自社の業績を伸ばしたい、と思ったり、社内の課題を解決したい、という場合、リーダーのやや欠けてしまっているところを外から補充するとうまくいくかも、という発想も大事かもしれませんね。
”オレは、(プロの)経営者だから、すべてに責任を持つ(他者は、黙っておれ!)。”という考え方は、
一見、自分自身でコントロールができていて快いものですが、
一方で、自分の欠けているところを外から補うチャンスを得られない、ということにもなります。
今まで、行動力バツグンで、メンバーを必死で引っ張ってきて、本当はメンバーに対する深い愛情を持っていながらも、メンバーからの信頼をなかなか得られないし、業績も低迷ぎみ・・・というケースがあったら(もし、組織でそのような兆候があったら)
外部の専門家から、コミュニケーションアップのための知恵を借りる、とか(スキルを身に着けるだけではNGですが)、あるいは、先見力を補うために、戦略性に優れた人をブレーンに置く、などです。
また、社内の、ナンバー1やナンバー2の組み合わせにおいても、同じような原理が当てはまると思います。
社長業とは、すなわち、”自分にないものの補い業”だといえます。
こうしてみると、トップは、自分にないものは何か、を見極める能力すなわち、”自己の客観視” が一番必要とされるのかもしれません。
その前提として、リーダーは、謙虚な姿勢も必要になるともいえるのですね~。
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権田会計事務所
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