“事業価値”をはかる、新たな担保制度について
2014年2月から「経営者保証ガイドライン」の運用&2019年の特則が制定されていますが、
こういった融資慣行の見直しのほか、
企業の技術や顧客基盤など無形資産を一括で担保にできる制度づくりを金融庁が目指しているそうです。
制度が整えば、従来のような、土地や建物などの不動産担保や経営者保証を基盤とした融資ではなく、
企業の事業価値すなわち企業独自の技術やノウハウといった無形資産を含めた包括的な価値に担保権を設定できるようになります。
その背景に、コロナ禍で大きな打撃を受けた中小企業に、資金供給の手段を広げて事業継続を支援しようという取り組みがあるようです。
さらに、事業全体を担保にすることで、その企業が仮に経営不振に陥った場合には、金融機関は積極的に再生に取り組める可能性も高まる、とありました。
しかしそれには、事業評価をできるノウハウをしっかり養う必要性もありますし、
それには一定の時間がかかると個人的には思います。
そこに、さらに事業を”再生”、ということになると、さらに 現実には難しくなるだろうと思います。
フェアで実力を備えた”目利き力”の養成 そして
経営者とともに目線を合わせたハンズオン型の支援 は確かに理想的なのですが、
ともすれば、安易にM&Aという方向性に結び付けられてしまうリスクも多いにあると考えます。
(それを、経営者サイドも覚悟している場合であれば大丈夫だと思うのですが)
さらに、「企業の事業進捗をきめ細かく確認することで、経営悪化を防ぐ動機も生まれ・・」
というメリットもある、というのですが
正直、短期的な目線だけのジャッジは、経営者にとっては苦しいものがあります。
すぐに成果が現れない取り組みだってあるのですから。。
それこそ、リスクが取れなくなる躊躇経営こそNGです。
もはや 銀行業とは、”もう一人の経営者業”
に変貌するくらいの業種変換?が必要になってくる気がします。