若手経営者の課題の第1位は”人材の確保と育成”

 

 「日本政策金融公庫の中小企業の経営に関する調査結果」でも明らかのように、若手経営者(おおむね44歳以前と公庫では定義しています)にとっての、経営課題の第1位は「人材の確保・育成」69%)でしたが、雇用を行っている経営者にとっては、ほぼ、全員が該当、といっても過言ではないと思います。

その中でも、とくに、若手経営者にとって、まず一番にしっかりと取組みたいと思う経営課題が、人材に関する問題というワケですね。

 

経営資源とは「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」ですが、その中でも「ヒト」すなわち「人材」(人財)は経営において、もっとも重要な位置を占めます。

 

でも、「人財」に関しては、”こうすればよい、とか、あぁすればうまくいく”、というようなカンタンな対処方法ではうまくいかないのが特徴だと思います。

 

 経営課題は、「問題対処」と「問題解決」の2種類がありますが、「人財」の問題は典型的に、後者(=問題解決)のタイプに該当するのでなないでしょうか。

 

「問題対処」とは、本当の原因や本質などは考慮せずに、さしあたっての表面的な現象を対応していくことですが、その解消策は、会社(自社)の外に求められるので、案外ラクに解消できます。

 

 

 一方、「問題解決」とは、問題の背後にある本質的な真因を見つけて、じっくりと解消していくことです。

 「問題解決」には、その結果を見出すまでに、一定の時間がかかります。

 

 

 【や】やっぱり初校がいちばんいいね

 

前者の「問題対処」の例では、

たとえば経理の人がいないから、記帳や事務系の業務を外部にお任せする、というようなスタンスです。

お任せできるところは(予算が許すうちは)、すべてお任せしようと 考えるのはとても実務的で効率的です。

 

「問題対処」は今現在、目に見える問題点だし、測定が容易な要素、たとえば、雇用しなくても人手不足が解消され、その分利益がアップできたり・・・とか目で見える部分なので、解消すると、いかにも助かった~、とか、結果が出た~、という感じになります。

 

それに対し、「問題解決」は、まず、一度問題の本質を探ってから改善していく作業なので、時間はかかるし、目にしっかりと(量的に)数値化して見えにくいものです。

 

 

その最たるものが、やはり「人材(人財)の採用・育成」ですね。。。

 

「人材(人財)の採用・育成」が「問題解決」事項だとすると、その答えは、容易に社外でなはく、社内(つまり、言い換えれば、経営者自身の心の中)に答えを見出さなくてはならないのだと思います。

 

「もの」とは違い、マインドにも配慮するアプローチが必要で、しかも、一定の「成功」までには、時間がかかる・・・(-_-;)。

だから、誰でもきっと苦労してしまう分野なのだと思います。

 

人材(人財)の採用や育成に関しては、しっかりと「設計」し、時間をかけて経営者が実践し、”熟成”させていく、というスタンスが必要だと思います。

 

人材(人財)における「問題解決」には、

 

1.「採用」の設計

2.「育成」の設計

3.やりがいや仕事観などの「メンテナンス」

 

 というふうにカテゴリーに分けて方針をたて実践していくのがポイントです。

 

 「育成」には、力を入れている、という経営者は多いのですが、実は、「採用」段階から、方針を設計していくことがとても重要ということですね。

 

次回以降、少しずつ、上記の1~3のポイントについて お話していこうと思っています。

 

 過酷な労働環境に耐えきれず「仕事をやめて実家に帰ろうかな・・・」と考える作業員